天龍がなぜリビングレジェンドと呼ばれるか。それは今だに圧倒的に強いからだ。怖いからだ。巨きいからだ。
いや、身体的なスペックはもちろん衰えている。今日の試合でもグラウンドからロープを頼りに立ち上がる姿が見られた。
ただ。
天龍の使った技は、逆水平チョップ・グーパンチ・ラリアット。ほぼこの3つだけだ。だがそのどれもが、余りに的確で、破壊力が見て取れる鋭く重い打撃だった。
だって、フィニッシュ前のラリアットを若手が返した時、驚きの声とともに大きな拍手が起こったのだ。そしてフィニッシュの居合い抜き式のラリアット。受けた那須の身体は一回転した。「これは返せない」誰しもがそう思う、素晴らしい一発だった。
それだけではない。
試合後、足元に倒れる那須選手に対し健闘を讃え、タイトル挑戦のチャンスを与えるように指示。最後のマイクでも「みなさんの週末が良い週末になりますように。快晴でありますように。」と、強い上にどこまでもかっこいい、話に聞いていたままの、凄まじい漢が、天龍源一郎だった。